2020/03/17

MacBook Airのメモリ増設はできる?オンボードでも8GB→16GBにできます【2015/2017実例】

MacBook Air 修理 メモリー増設 リワーク作業 ロジックボード修理

「MacBook Air はメモリがオンボードだから増設できない」——これは一般論としては正しく、事実としては違います。 基板に直付けされたメモリICチップそのものを載せ替える方法があり、当店では 8GB → 16GB への増設に対応しています

熊本のMac基板修理専門店が、実際に増設した機体の写真とともに解説します。

MacBook Air のメモリ増設は本当にできるの?

できます。MacBook Air はメモリが基板に直接はんだ付けされた「オンボード」仕様で、 スロットに挿すタイプの増設はできません。しかしメモリICチップ自体を大容量のものに載せ替えることで、 購入後でも容量を増やせます。当店では MacBook Air・MacBook Pro・iMac のオンボードメモリー増設に対応しています。

8GBモデルを16GBにできますか?純正に16GBが無い機種でも?

できます。たとえば MacBook Air 13インチ 2017 には、そもそも Apple 純正で16GBモデルが存在しません。 それでも当店では 8GB → 16GB へ増設した実績があります(実例)。 いわば「未発売スペック」の1台になります。

チップを買ってきて自分で交換すれば安く済みますか?

できません。ここが最も誤解されている点です。 メモリチップを載せ替えただけでは認識しません。 メーカー・容量・クロック数に依存するため、基板側のシステム設定も併せて書き換える必要があります。 仕組みの詳細

1. なぜ「MacBook Airはメモリ増設できない」と言われるのか

MacBook Air の薄さを実現するため、Apple はメモリを基板に直接実装する設計を採用しました。 これがオンボードメモリーです。デスクトップPCやかつてのノートPCのように、 スロットにメモリモジュールを挿す構造ではありません。

そのため一般的には「購入時に選んだ容量から変更できない=容量を増やしたければ買い替えるしかない」と説明されます。 Apple のサポートでも、家電量販店でも、この案内になります。

オンボードなのは MacBook Air だけではありません。 MacBook Pro・MacBook Pro Retina・iMac・Mac mini の多くのモデルも同様の構造です。

ただし「物理的に不可能」ではありません

はんだ付けされているだけなので、基板修理の設備と技術があればチップの載せ替えは可能です。 できる店が非常に少ないため「できない」という情報が広まっている、というのが実情です。

2. オンボードメモリー増設の仕組み

作業は大きく2段階に分かれます。2つめを知らずに失敗する例が多いので、そこが要点です。

  1. 基板からメモリICチップを取り外す
    リワーク装置やヒーターガンで加熱し、既存のメモリチップを基板から外します。周囲の部品を傷めない温度管理が必要です。
  2. 大容量のメモリICチップを実装する
    取り外した位置に、容量の大きいチップを正確に載せてはんだ付けします。
  3. 基板側のシステム設定を書き換える
    ここが最重要です。チップを載せ替えただけでは認識しません。メーカー・容量・クロック数に依存するため、基板が持っている構成情報を新しいチップに合わせて変更する必要があります。
  4. 認識と動作を確認する
    OS上で容量が正しく認識されるか、負荷をかけても安定するかを確認して完了です。
「チップだけ買って交換」はうまくいきません

通販でメモリICチップだけを入手して載せ替える、という方法が語られることがありますが、 手順3を行わないと容量は認識されません。 また、加熱によって周辺のICや基板そのものを破損すると、メモリ増設どころか起動しなくなります。

3. 対応している機種

機種対応
MacBook Air(13インチ/11インチ)対応(2015・2017 などの実績あり)
MacBook Pro(13インチ/15インチ)対応(MacBook Pro のメモリ増設はこちら
MacBook Pro Retina対応
iMac対応
Mac mini要相談

Apple シリコン(M1/M2 以降)は「メモリだけの増設」ができません。 メモリが CPU と同じパッケージに統合(ユニファイドメモリ)されているためです。ただし上位構成の SoC ごと交換すれば、結果的に容量を変えることは可能です。その場合は Touch ID とのセット交換、DFU 復元、キーボード配列を揃える必要があります。チップ単位での増設に対応できるのは Intel 世代です。

4. そもそも増設が必要か、自分で確かめる方法

「動作が重い」の原因がメモリ不足とは限りません。ストレージの空き容量不足や、 SSD・基板側の不調が原因のこともあります。増設する前に、Mac標準の機能で確認できます。

  1. アクティビティモニタを開く(アプリケーション → ユーティリティ の中)
  2. 上部の「メモリ」タブを選ぶ
  3. 画面下部の「メモリプレッシャー」のグラフを見る
  4. 黄色や赤が続いているなら、メモリ不足が動作の重さに直結しています。緑のままなら別の原因を疑ってください

実際に増設されたお客様からは「最初からアップグレードしておけばよかった」という声をいただくことが多いです。 判断に迷う場合は、アクティビティモニタの画面を撮影して送っていただければ、必要かどうかの目安をお伝えできます。

5. 実際に増設した事例

写真はすべて実機のものです。

MacBook Air 13インチ 2017 | 8GB → 16GB(純正に存在しないスペック)

「長く使いたいので16GBにしたい」というご依頼でした。 MacBook Air 13インチ 2017 に、Apple 純正の16GBモデルは存在しません。 メモリはオンボードで抜き差しができないため、基板からメモリを丁寧に外し、すべて付け替えました。 16GBとして正常に認識されています。

MacBook Air 13インチ 2017 のメモリ増設作業 オンボードメモリーICチップの載せ替え 16GBとして認識された画面

MacBook Air | オンボードメモリー増設の作業風景

基板上のメモリICチップを直接扱うため、リワーク装置での温度管理が欠かせません。 周辺のICを傷めずにチップだけを外し、正確な位置に実装します。

MacBook Air メモリ増設 基板作業 オンボードメモリー取り外し メモリICチップ実装 増設後の動作確認

6. 増設前に知っておいてほしいこと

  • Apple の正規保証は対象外になります。非正規の改造にあたるため、以後 Apple 正規サービスでの修理を断られる可能性があります。
  • 基板を加熱する作業です。当店では慎重に作業しますが、基板の状態によってはリスクがゼロではありません。事前に診断してお伝えします。
  • 作業前にデータのバックアップをお願いしています。基板を扱うため、万一に備えてください。
  • Apple シリコン(M1/M2以降)はメモリ単体の増設ができません。SoC ごとの交換であれば対応できる場合があります。
  • 費用はモデルと現在の容量によって変わります。お手数ですが、機種と現在のメモリ容量をお知らせのうえお問い合わせください。

なお、当店はロジックボード単体(基板のみ)でのお預かり、および修理業者様からのご依頼は承っておりません。 本体ごとお送りいただく形になります。

よくある質問

MacBook Air のメモリ増設はできますか?

できます。MacBook Air はメモリが基板に直付けされたオンボード仕様のため、スロット式の増設はできませんが、メモリICチップ自体を大容量のものへ載せ替えることで増設が可能です。当店では 8GB → 16GB への増設に対応しています。

MacBook Air 2017 を16GBにできますか?純正には16GBモデルが無いはずですが。

できます。MacBook Air 13インチ 2017 に Apple 純正の16GBモデルは存在しませんが、当店では 8GB から 16GB へ増設した実績があります。純正には無いスペックの1台になります。

メモリチップを買って自分で交換すれば増設できますか?

できません。チップを載せ替えただけでは認識しません。メーカー・容量・クロック数に依存するため、基板側のシステム設定も併せて書き換える必要があります。また加熱作業で周辺のICや基板を破損すると起動しなくなります。

M1・M2 の MacBook Air もメモリ増設できますか?

できません。Apple シリコンはメモリが CPU と同じパッケージに統合されたユニファイドメモリ構造のため、メモリだけを増設することはできません。ただし上位構成の SoC ごと交換すれば容量を変えられる場合があります。その際は Touch ID とのセット交換、DFU 復元、キーボード配列を揃える必要があります。チップ単位での増設に対応できるのは Intel 世代です。

増設するとApple の保証はどうなりますか?

非正規の改造にあたるため、Apple の正規保証は対象外となり、以後 Apple 正規サービスでの修理をお断りされる可能性があります。ご了承のうえご依頼ください。

本当にメモリ不足が原因か、事前に確認できますか?

アクティビティモニタ(アプリケーション → ユーティリティ)を開き、「メモリ」タブの下部にある「メモリプレッシャー」を確認してください。黄色や赤が続いていればメモリ不足が原因です。緑のままなら、ストレージの空き容量やSSD・基板側の不調など別の原因が考えられます。

メモリ増設のご相談

費用はモデルと現在のメモリ容量によって変わります。 機種名(例:MacBook Air 13インチ 2017)と現在の容量をお知らせいただければ、お見積もりをお伝えします。

「増設すべきか分からない」という段階でも構いません。 アクティビティモニタの画面を撮って送っていただければ、必要かどうかの目安をお伝えできます。LINEが手軽です。

監修者 山内幸一郎(パソコン修理エイド)
この記事の監修 パソコン修理エイド(Aide Repairs&Parts) 山内 幸一郎 熊本県熊本市中央区のMac・PC修理専門店。ロジックボードの基板修理を専門とし、修理実績1万台以上・月間100件以上に対応しています。他店で「修理不可」と言われた症状やデータ復旧のご相談も承っています。 会社概要 / 修理のご相談 / TEL 096-200-5000